「今月も退職者が出た…また採用活動をしなければ…」
介護施設の経営者から、こんな声を聞くたびに心が痛みます。
求人を出しても応募が来ない。
やっと採用できても、すぐに辞めてしまう。
この悪循環から、抜け出せずにいる施設は少なくありません。
実は、介護職員が集まらない原因は「介護業界全体の問題」だけではないんです。
本記事では、人手不足を解消するための具体的な改善策を解説します。
介護業界の採用市場、今どうなっている?
まず、現状を正しく理解しておきましょう。
介護業界では、求職者に比べて求人数が大幅に多い状況が続いています。
これは、求職者が「選べる立場」にあるということ。
施設側が「選ばれる努力」をしなければ、人は集まりません。
「給料を上げれば人が来る」
そう思われるかもしれません。
でも、実際は給与だけが理由ではないんです。
給与だけでなく「働きやすさ」「職場の雰囲気」「人間関係」など
重視されています。
以下では、給与以外の部分を磨くことが重要な理由を5つお伝えします。
求人が「埋もれている」

Indeedやジョブメドレーにも求人を出している。
でも、応募が来ない。
あなたの求人が「埋もれている」からかもしれません。
同じ地域に、多数の介護施設の求人があります。
その中で、あなたの施設の求人は目立っているでしょうか?
求職者が最初に目にするのは、求人タイトルです。
ここで興味を持ってもらえなければ、クリックされません。
「介護スタッフ募集」「デイサービスで働きませんか」
こうしたタイトルは、他の求人と区別がつきません。
「【未経験OK・日勤のみ】残業なし介護スタッフ|駅徒歩3分」
「【月8休・有給取得率高】ワークライフバランス重視の特養」
求職者が気になる条件をタイトルに入れましょう。
すると「自分の希望に合うかも」と思ってもらえます。
求人の更新頻度も重要です。
多くの求人サイトは、更新日が新しい求人ほど上位に表示されます。
求人内容を定期的に見直して更新しましょう。
それだけでも、検索結果での露出が増えるんです。
「自社の当たり前」が伝わっていない

「うちの施設には、特別な魅力なんてない」
そう思っていませんか?
でも、あなたが「当たり前」だと思っていることが
求職者にとっては「魅力」かもしれません。
例えば、こんなことはありませんか?
「スタッフが仲良い」「シフトの希望が通りやすい」
「利用者さんとゆっくり関われる」「残業がほとんどない」など
これらは「当たり前」かもしれません。
でも、他の施設では「当たり前じゃない」ことも多いんです。
こうした日常を言語化して伝えましょう。
「スタッフの平均勤続年数が長く、定着率の高い職場です」
「利用者数に対してゆとりある人員配置をしています」
「残業が少ない環境です(実績:月平均〇時間)」
「有給が取りやすい雰囲気づくりをしています」
こうした具体的な情報が、求職者の心に響きます。
今いるスタッフに聞いてみるのも効果的です。
「この施設の良いところって、どこだと思う?」
そう聞けば、あなたが気づいていない魅力が見つかるはずです。
求職者の「本音」を知らない

「どんな人材が欲しいか」は明確にしている。
でも「求職者が何を求めているか」は知らない。
こんな状態になっていませんか?
求職者が何を重視しているかを知らなければ、
的外れなアピールをしてしまうんです。
介護職を探している人は、一様ではありません。
年齢、経験、家庭環境など、重視するポイントが違います。
【20代・未経験者の場合】
「入社後はマンツーマンで丁寧に指導します」
「資格取得支援制度があります」
「若手スタッフが多く、年齢の近い先輩に相談しやすい環境です」
【30代・子育て中の場合】
「シフト提出は2週間前でOK」
「急な子どもの発熱にも対応できる体制を整えています」
「産休・育休の取得実績があり、復帰後も働きやすい環境です」
このように、ターゲットによってメッセージを変えます。
すると「自分のことを言っている」と感じてもらえるんです。
面接で「お見合い」ができていない

面接を、一方的な「選考の場」にしていませんか?
質問ばかりして、施設の魅力を伝えられていない。
これでは、求職者は不安なまま帰ってしまいます。
面接は「お互いを知る場」です。
施設が求職者を見極めるだけでなく、
求職者にも施設のことを知ってもらう必要があるんです。
一方的に質問するのではなく、施設の魅力も伝えましょう。
ただの理念ではなく、実際の取り組みを交えて説明します。
「うちでは、利用者さんと向き合うことを大切にしています。
そのために業務効率化のツールを導入して、記録時間を削減しました」など
面接だけで終わらせず、必ず施設見学を組み込みましょう。
実際の現場を見ることで
「思っていたより、明るい雰囲気だな」
「スタッフ同士、仲が良さそうだな」
そう感じてもらえれば、内定承諾率は格段に上がります。
採用した後のフォローが足りない

入社前から関係づくりを始める
せっかく採用しても、すぐに辞められてしまう。
それは、入社後のフォロー不足が原因かもしれません。
「採用したら終わり」ではないんです。
入社後の最初の数ヶ月が、定着率を大きく左右します。
内定を出してから入社日までの期間。
ここで不安を感じて、辞退される人もいます。
定期的に連絡を取り、不安を解消しましょう。
「入社前に見学に来ませんか?」
「何か気になることがあれば、
いつでも連絡してくださいね」
こうした声かけが、安心感を生みます。
入社初日の準備を万全にする
初日の印象もとても重要です。
「今日から来る新人さん、誰だっけ?」
こんな雰囲気では、新人は不安になります。
・名前と顔を事前に共有する
・ロッカーや制服を準備する
・初日のスケジュールを明確にする
・歓迎の雰囲気を作る
こうした準備が「歓迎されている」という実感につながります。
最初の期間は手厚くサポート
いきなり独り立ちさせていませんか?
必ず先輩スタッフがついて指導する体制を整えましょう。
また、定期的に面談の時間を設けてください。
「困っていることはない?」
「分からないことは聞けてる?」
こうした声かけが早期離職を防ぎます。
入社後のフォローアップ
入社から数ヶ月は、離職しやすい時期です。
「思っていた仕事と違う」
「人間関係がうまくいかない」
こうした不満が溜まりやすいタイミングなんです。
だからこそ、定期的に面談を行いましょう。
不満や悩みを早期にキャッチすることで、離職を防げます。
小さな改善から始めよう

「全部やるのは大変そう…」
そう思われたかもしれません。
でも、全てを一度にやる必要はありません。
人手不足を解消するには、計画的な採用活動と
定着の仕組みが必要なんです。
小さな改善の積み重ねが成果につながります。
人手不足に悩んでいる施設は、あなただけではありません。
でも、行動を始めた施設から状況は変わっていきます。
職員が「ここで働きたい」と思える施設。
それは、求職者の目線に立って、丁寧に情報を届けている施設です。


