「やっと採用できたのに、半年で辞めてしまった…」
「また退職届が出た。今度は誰を採用すればいいんだろう…」
介護施設の経営者から、こんな声を聞くたびに胸が痛みます。
採用にかけた時間もお金も、すべて無駄になってしまう。
残されたスタッフの負担が増え、また誰かが辞めていく。
この悪循環から抜け出せない施設は、少なくありません。
離職を繰り返す施設には、共通する組織課題があるんです。
本記事では、介護職員の定着率を上げるために見直すべき組織課題と
具体的な解決策を解説します。
なぜ、介護職員は辞めていくのか?
「給料が安いから辞める」
そう思われている方も多いかもしれません。
でも、実際はそれだけではないんです。
介護職が退職を決める理由は、
給与よりも「職場環境」や「人間関係」が大きく影響しています。
給与を上げなくても、定着率を改善できる可能性があるということ。
以下では、具体的に5つの組織課題をお伝えします。
採用時点でミスマッチが起きている

「採用したのに、すぐ辞めてしまう」
それは、採用時点でミスマッチが起きているからかもしれません。
急な欠員を埋めるために「とりあえず面接に来た人を採用する」。
こんな採用をしていませんか?
求める人材像が曖昧なまま採用は危険です。
入社後に「思っていた仕事と違う」となり、離職につながるんです。
採用基準を明確にする
まず「どんな人に来てほしいか」を明確にしましょう。
・施設の理念に共感してくれる人
・チームワークを大切にできる人
・利用者さんに寄り添える人
・向上心を持って学び続けられる人
こうした基準を、採用チーム全体で共有することが大切です。
また、面接では施設のリアルな情報を伝えます。
「良いこと」だけでなく、「大変なこと」も正直に話しましょう。
入社後のギャップが減り、定着率が上がります。
「この施設なら、自分に合いそう」
そう思ってもらえる人だけを採用することが、
定着率向上の第一歩です。
チームワークを育む仕組みを作る

情報共有の場を作る
朝礼やミーティングで「困っていること」を
共有する時間を作りましょう。
「〇〇の対応で悩んでいます」
言える雰囲気があれば、
「それなら私が手伝いますよ」
と誰かが手を挙げることができます。
こうした小さな助け合いが
チームの協力体制を育てるんです。
ペア制度を導入する
新人とベテラン、若手と中堅など、
ペアを組んで互いにサポートし合う制度を作りましょう。
困ったときに相談できる相手がいることが
安心感につながります。
過度な負担がかかっている

慢性的な人手不足で、ひとりの負担が大きい。
残業が当たり前、休みが取れない、夜勤が多すぎる。
こんな状態では、どれだけ良い人を採用しても定着しません。
「このままじゃ体が持たない…」
そう感じて、辞めていくんです。
適正な人員配置と業務効率化
本当に今の人数で回せているでしょうか?
ギリギリの人数で回していると、
誰かが休んだときに破綻します。
少し余裕を持った人員配置にすることで、
スタッフの負担が減り、定着率が上がります。
業務の効率化を進める
「残業は仕方ない」と諦めていませんか?
記録業務、申し送り、会議など…
こうした業務にどれだけ時間をかけていますか?
業務の見える化をすることで、
どこに時間がかかっているかを把握しましょう。
ICTツールを導入や記録の方法を見直すだけでも
スタッフの負担が軽減できます。
評価・キャリアパスが見えない

「頑張っても給料が上がらない」
「何年働いても、ずっと同じ立場のまま」
こんな状態では、モチベーションが下がります。
評価されている実感がなければ、
他の施設に移ってしまうんです。
正当な評価制度とキャリアパスを作る
何をすれば評価されるのか明確にしましょう。
年功序列ではなく、頑張りが正当に評価される仕組みこそ
スタッフのモチベーションが上がります。
年に一度の評価面談だけ済ませていませんか?
「よくやってくれてるね」
「この前の対応、素晴らしかったよ」
と定期的に声をかけることがやりがいにつながります。
キャリアパスを示す
「この施設で働き続けたら、どんな未来があるのか」
これを示すことが大切です。
リーダー候補、主任、施設長代理。
こうしたキャリアの道筋があると
「ここで頑張ろう」と思ってもらえます。
また、資格取得支援制度を整えることも効果的です。
介護福祉士、ケアマネージャーなどの資格取得を
サポートすることで、スタッフの成長を後押しできます。
ワークライフバランスが取れない

「休みが取れない」「シフトの希望が通らない」
「家族との時間が持てない」など
どんなにやりがいを感じていても、仕事が続けられません。
特に子育て中のスタッフにとって、
働きやすさは最重要項目なんです。
柔軟な働き方を実現する
シフトの希望をできるだけ通すではなく、
「希望シフトは原則全て通します」そんな姿勢を示しましょう。
もちろん、全員の希望を完璧に通すのは
難しいかもしれません。
「できる限り尊重する」という姿勢が
スタッフの満足度を上げます。
また、フルタイムで働けない人も、戦力になります。
短時間勤務、週3日勤務、時短制度などの多様な働き方は
幅広い人材が定着します。
採用と定着は両輪で考える

新しい人を採用するコストは、
一人あたり数十万円から百万円以上かかります。
でも、せっかく採用しても
すぐに辞められてしまっては意味がありません。
採用活動に力を入れるのと同じくらい、
定着率向上にも力を入れましょう。
この両輪があって初めて、人手不足は解消されるんです。
「採用してもすぐ辞める」を繰り返すより、
「採用した人が長く働いてくれる」組織を作る。
そうすることで、採用活動の成果が何倍にも大きくなります。
あなたの施設も、今日から変えていくことができます。
「ここで長く働きたい」と思える施設を作っていきましょう。

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