「今年も紹介会社に、数百万円払った…」
「でも他に方法がないから、仕方ない」
介護施設の経営者として、こんな状況に慣れてしまっていませんか?
紹介会社に頼っている施設は、こう考えがちです。
「紹介料は高いけど、採用できるから仕方ない」
「自分たちで採用できる力がないから、頼るしかない」
でも、実際はどうでしょうか?
紹介会社に頼り続けても、
採用と定着の問題が解決しない施設は少なくありません。
なぜなら、紹介会社を使うことの本当のコストは、
紹介料だけではないからです。
本記事では、採用費より深刻な「見えない損失」と、
その具体的な脱却方法を解説します。
「紹介料が高い」は表面的な問題

紹介会社のコストを聞くと、
多くの経営者がまず紹介料を思い浮かべます。
「1人採用するのに、50〜100万円かかる」
「年収の20〜30%が相場だから、仕方ない」
実は、紹介料そのものより深刻な「見えないコスト」が存在します。
なぜ紹介料だけで考えてしまうのか。
見えないコストに気づきにくい理由
「紹介会社が採用してくれるから、自分たちは楽になった」
→ 依存していることに慣れてしまっている
「採用できたかどうかは分かるが、その後の定着は別の話」
→ 採用と定着を切り離して考えている
「紹介会社に払った費用は明細が出るが、それ以外のコストは見えない」
→ 数字として見えないものは、コストと認識しにくい
だから、紹介料以外のコストを見落としてしまうんです。
本当の損失に気づかない限り、問題は解決しません。
紹介会社に頼り続ける「見えない損失」

採用力が社内に育たない
紹介会社に頼り続けると、自社で採用する力が一切育ちません。
「求人票の書き方がわからない」
「どの媒体を使えばいいかわからない」
「応募者との連絡のとり方がわからない」
こうした採用の基礎知識が、社内に蓄積されないんです。
これは今は問題に見えないかもしれません。
でも、紹介会社が使えなくなった瞬間、施設は採用が完全に止まります。
「紹介会社なしでは動けない体質」になっているんです。
ミスマッチが起きやすくなる
紹介会社は、求職者と施設の「マッチング」を行います。
でも、紹介会社はあなたの施設の内部をどこまで知っているでしょうか?
「施設長がどんな想いで運営しているか」
「どんな性格の人が長く働いているか」
「現場の雰囲気はどうか」
こうした「施設の中身」は、
外部の紹介会社には伝わりきりません。
だから、スキルや経験値は合っていても、
価値観が合わない人が紹介されることがある。
入職後に「思っていた施設と違った」と気づき、辞めていく。
紹介料を払ったのに、また採用活動をやり直す。
この繰り返しが、見えないコストになっています。
「選ばれる施設」になれない
紹介会社を通じた採用では、
求職者はあなたの施設を「直接選んでいない」ことになります。
「紹介会社が勧めてくれたから来た」
この状態で入職した人は、施設への愛着が薄くなりがちです。
「もっと条件の良い施設に移ろうかな」
紹介会社が新しい求人を持ちかければ、すぐに転職を考え始めます。
逆に、自社の魅力に共感して
「この施設で働きたい」と思って来た人は、定着率が高い傾向があります。
施設を「自分で選んだ」という意識が、
仕事への責任感と愛着につながるからです。
施設の魅力が言語化されないまま
紹介会社に採用を丸投げすると、
自分たちの施設の魅力を言葉にする機会がありません。
「うちの施設の良いところって、何だろう?」
この問いに答えられない施設は、多いんです。
でも、この問いに答えられないと困ることがあります。
求職者に「なぜこの施設を選んだのか」と聞かれたとき。
スタッフが「ここで働いている理由」を話せないとき。
施設の魅力が言語化されていないと、
採用においても定着においても、じわじわと影響が出てくるんです。
見落としがちな「依存のパターン」

紹介会社への依存が深まるほど、コストは増え続ける
紹介会社への依存度が高まると、何が起きるか。
採用するたびに紹介料がかかる。
定着しないのでまた採用が必要になる。
また紹介会社に頼む。
この繰り返しで、年間の採用コストはどんどん膨らんでいきます。
最初は「緊急対応」として使い始めた紹介会社が、
いつの間にか「採用の主軸」になっている。
この状態に気づいたときには、すでにかなりのコストがかかっています。
「採用できた」と「良い採用ができた」は違う
紹介会社を使えば、確かに採用はできます。
でも、「採用できた」と「良い採用ができた」は、全然違います。
良い採用とは、施設の理念に共感し、
長く働いてくれる人を採用することです。
紹介会社経由でも良い採用はできます。
ただ、それを判断する「採用基準」を施設側が持っていないと、
紹介会社任せになってしまうんです。
「1年」「3年」「5年」が依存のターニングポイント
紹介会社への依存には、気づきにくい節目があります。
1年:「これでいいか」と思い始める
「紹介会社で採用できているから、このままでいいか」
問題意識が薄れていく時期です。
3年:社内に採用ノウハウがゼロになる
採用担当者が変わり、紹介会社との関係しか残っていない。
自社で採用する方法を、誰も知らない状態になります。
5年:コストが見えなくなる
「採用費はこれくらいかかるものだ」という感覚が定着する。
改善しようという意識自体が、なくなっていきます。
この節目に気づいたとき、脱却の第一歩を踏み出せます。
紹介会社依存から脱却する4つのステップ

まず「自社の採用力」を棚卸しする
今すぐ、紹介会社なしで採用できますか?
この問いに「わからない」と答えた施設は、まず棚卸しが必要です。
確認すべきこと
- 自社で求人票を作れるか
- どの媒体に掲載するか判断できるか
- 応募者への対応を自社でできるか
- 採用基準が明確か
現状を把握することが、脱却の第一歩です。
「施設の魅力」を言葉にする
自社採用を始めるには、まず施設の魅力を言語化する必要があります。
「なぜこの施設で働くのか」を、スタッフに聞いてみましょう。
「利用者さんとゆっくり関われる」
「施設長の方針が明確で安心できる」
「チームの雰囲気が良い」
こうしたリアルな声が、採用メッセージになります。
小さく自社採用を始める
いきなり紹介会社をゼロにする必要はありません。
まずは1つの媒体で、自社採用を試してみましょう。
ハローワーク、Indeed無料掲載。
こうした低コストな方法から始めて、
採用ノウハウを社内に積み上げていきます。
採用と定着をセットで設計する
紹介会社依存から脱却するには、
採用した後の定着まで考える必要があります。
採用しても辞めてしまうと、また採用が必要になるからです。
採用基準の明確化、入職後のフォロー体制、スキルアップ支援。
採用と定着をセットで設計することで、
紹介会社への依存度は自然と下がります。
紹介会社を「使わない」ではなく「依存しない」

紹介会社を使うこと自体が悪いわけではありません。
急な欠員補充や、特定のスキルを持つ人材が必要なとき。
紹介会社は有効な選択肢の一つです。
問題は、「紹介会社なしでは採用できない状態」になることです。
自社でも採用できる力を持った上で、紹介会社をうまく活用する。
これが理想的な採用体制です。
そのためには、紹介会社に頼る前に、
自社の採用力を育てることが大切です。
施設の魅力を言語化して、求職者に直接届ける。
この仕組みを作ることが、
採用コストを下げながら定着率を上げる最も効果的な方法です。
紹介会社への依存から抜け出す第一歩。
それは、「自分たちで採用できる」という自信を持つことから始まります。

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